文章を作成する時に、( )を用いる場合があります。
例えば、新聞等では「試合開始は、7月22日午前3時(現地時間7月21日午後7時)」のように、補足情報を括弧の中に記載したりするようです。これは、日本時間の午前3時は、現地時間では前日の午後10時ですよ、という、親切な記載だと思います。
でもでも、お役所に提出するときは、次のように書きましょう。
「試合開始は、7月22日午前3時。なお、現地時間では7月21日午後7時。」
捕捉する場合は、「なお」ですね。
では、括弧書きはどういう時に使うのでしょうか。
まずは、前回コラムでご説明した長い語を略す時ですね。
「環太平洋パートナーシップ協定(以下「TPP]という。)」
それ以外にもあります。
「アンケートの対象は高校生(20歳未満に限る。)」
これは、アンケートの対象を若者に限定しているものですね。
「アンケートの対象は高校生(成人も含む。)」
これは、アンケートの対象を高校に通う全ての人にしている場合になります。
このように、括弧書きの中は、括弧の前の語に条件をつけるときに用います。
「アンケートの対象は高校生」だけだと、悩む場合もありますよね。
補助金申請応援コラム
(5) 長い単語はどうやって略すの?
環太平洋パートナーシップ協定、略してTPP。
どういう風に略しますか?
環太平洋パートナーシップ協定(以後「TPP」と略す)
どうでしょうか。
よさそうな感じですか?
残念。
実は、単語等を略す時は、書き方の定型があります。
この場合は、
環太平洋パートナーシップ協定(以下「TPP」という。)
ここでポイントは、「以下・・・という」とういう定型句の後に、「。」があることです。
そして、「いう」はひらがなです。
学校で習うお作法と、全然違いますね。
つづく
(4) 間違いやすい接続詞を、正しく使う。
今回は、間違って使われがちな接続詞について。
支払いは、月末締めの翌月末3ヶ月手形払いとする、
とすることにしたとします。
さらに、これは、原則で、月の支払額が20万円未満だった場合、
翌月末現金払いとする、という場合、みなさんならどのように書きますか?
支払いは、月末締めの翌月末3ヶ月手形払いとする。
なお、月の支払額が20万円未満だった場合、月末締めの翌月末現金払いとする。
よく見かける表現ですが、これも?な文章です。
支払いは、月末締めの翌月末3ヶ月手形払いとする。
ただし、月の支払額が20万円未満だった場合、月末締めの翌月末現金払いとする。
と書きましょう。
「なお」は補足する時に、使う接続詞です。
支払いは、月末締めの翌月末3ヶ月手形払いとする。
なお、現金で払う場合もある。
のように使用します。
例外規定の時は、「ただし」。
そう言われてみれば、そうですよね〜
つづく
(3)「又は」と「若しくは」も似た用語。
及びと並びに、に似た用語はもう一組あります。
そう。「又は」と「若しくは」です。
これも、使い方は同じ。
リンゴかバナナかミカンだったら、
リンゴ、バナナ又はミカン、となります。
もし、イチゴかミカンを買ってきて欲しい場合、イチゴなら「とちおとめ」か「あまおう」、ミカンなら「いよかん」か「はっさく」と頼む時には、
「とちおとめ」又は「あまおう」若しくは「いよかん」又は「はっさく」
と頼みましょう。
なんだかお役人しか理解できそうにありません。
正確さと分かりやすさは、別物ですね。
つづく
(2)「及び」と「並びに」はどう違うの?
役所の文書で分かりにくい用語はいろいろあると思いますが、最たるものは、これ。
「および」と「ならびに」。
今回はこれを取り上げます。
まず、この2つの語は漢字で書きます。
「及び」、「並びに」です。平仮名で書くと、誤字に見えるやつです。
では、どうやって使うのでしょう?
リンゴとバナナとミカン、といいたい時には、
リンゴ、バナナ及びミカン、といいます。
リンゴ、バナナ並びにミカン、とはいいません。
では、並びに、はいつ使うのでしょうか?
この語は、及びよりも弱い結びつきの時に、使用します。
例えば、鈴木夫妻と佐藤夫妻、と言いたい時には、
「鈴木さん及び鈴木さんの奥さん」並びに「佐藤さん及び佐藤さんの奥さん」
となります。(「 」は参考です)
もし、この用語を反対に使ったとします。
鈴木さん並びに鈴木さんの奥さん及び佐藤さん並びに佐藤さんの奥さん
これは、「鈴木さん」、「鈴木さんの奥さんと佐藤さん」、「佐藤さんの奥さん」
の意味になります。
しかも、鈴木さんの奥さんと佐藤さんの結びつきが最も強い。
なんだか、意味深ですね。
ただし、この場合、正しくは、
鈴木さん、鈴木さんの奥さん及び佐藤さん並びに佐藤さんの奥さん
になるので、結局、間違った記載ということになります。
申請で間違えるとタイヘンですね。
(普段間違えてもタイヘンそうですが)
気をつけましょう!
つづく
(1) 通りやすい申請書を書こう!
皆さん、はじめまして!
事業を拡大するために、公的補助金を申請するというのは、よくあることと思います。そんな時、申請書にいろいろなことを記載すしますよね。その書類を受け取るのは、当然お役人。そんなわけですから、皆さんも大事な文書を書く時は(例えば、助成金の申請書とか!)、役人がしっくりくる表現で書きませんか?申請が通りやすくなるかもしれません!
さて、役人の公用語はもちろん日本語ですが、私たちが使う日本語とは、ちょっと違います。だから、普通の日本語で書かれた申請書を読むと、時としてやたらに「?」が湧いてきて、気が散ってしまいます。内容に気持ちが向かないんですね。
例えば、「従って」という語。文中に来る時は漢字、文頭に来る時は、平仮名にします。
例えば、「案内に従って」とか、「したがって、案内については」のように使います。「案内にしたがって」とか、「従って、案内については」のように、逆に書いてあると誤字に見えます。そして、こういう文章が延々続くと、誤字だらけに見えてしまいます。
では、どれが漢字でどれがひらがなか、どうやって調べればいいんでしょう?
そんな時は、これ。公用語辞典。お役立ち~。
でも、いちいち調べるのは面倒ですよね・・・。
そんな貴方は、このコラムの読者になりましょう!
私、ジェシカが、よくあるパターンを厳選してお届けします。
ところで、さっき出てきた「従って」のお話。役人風に書いたらどうなるでしょうか?
「従って」については、文中においては漢字、文頭においては平仮名を用いる。
なんだか、堅苦しいですね。
つづく